開発のミクロ実証研究About Us

世界銀行の統計によれば、2021年時点で7億人もの人が1日1.9ドル以下で生活していると推計されています。貧困や飢餓の撲滅は世界の重要課題であり、2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」においても、最初の目標に掲げられています。開発経済学は、開発途上国における貧困の原因を明らかにし、途上国の経済成長や貧困撲滅を可能にする開発戦略の在り方を探求する経済学の一分野です。
 私は開発経済学の中でも、アフリカ農家を対象としたミクロ実証の研究をしています。具体的には1回の調査で数百家計の農家にインタビューをして、統計データを構築し、「アフリカの農家はなぜ新しいコメの品種や肥料を使わないのか?」や、「新しい稲作技術は本当に農家の所得向上の役に立つのか?」といった疑問にデータ分析を通じて答えるのが仕事です。また、最近ではウガンダに逃れてきた南スーダン難民の方々の所得向上のために、どのような解決策があり得るのかといったことも研究しています。
 魅力は、何と言ってもアフリカの農家の方々と直接対話をできることです。フィールドでの農家の方々との対話や、データ分析から、アフリカ農家の現状を理解し、そこから得られた農業生産性、所得向上のための方策を途上国政府、援助関係者、研究者や農家の方々と共有できることにやりがいを感じています。

I am Associate Professor in the College of International Studies, and Graduate School of Business Sciences, Humanities and Social Sciences at the University of Tsukuba. I teach microeconomics and development economics. From my PhD onwards, my research has centered upon development economics, using field work and statistical data to study poverty and development issues in developing countries, focusing in particular on agricultural development in Sub-Saharan Africa.

略歴Biography

中野 優子

中野 優子 筑波大学人文社会学系 准教授

京都大学総合人間学部 学士
神戸大学国際協力研究科 修士 (経済学)
政策研究大学院大学 博士(開発経済学)
国際稲研究所 ポストドクトラルフェロー
筑波大学人文社会系助教 を経て
2015年4月より現職